指導者の声

写真部 部長 金子真一

写真とは、報道写真に見られる記録の側面と創造するという芸術的側面を併せ持った「表現」である。そこには写真ならではの制約がある。例えば天使の写真を撮ろうとしても、目の前に天使が現れない限り無理である。したがって、天使の記録としての写真は成立しない。では芸術的観点からはどうであろうか。もちろん天使そのものは写せないだろうけど、雲間から射す光などを上手く撮影すれば、天使的な雰囲気は表現できるかもしれない。また記録としての側面から考えてみて、被写体が目の前にあるからといって自由度が高いのかというと、必ずしもそうではない。どの瞬間を切り取るかという時間的選択と、どういった角度からあるいはどういった構図で撮るのかといった空間的選択が作品の質を決めるからだ。何を表現したいのか、あるいはどんな場面を切り取りたいのか、それは撮影者の頭の中に依存する。写真部員には、なによりじっくり考えて撮影に臨んでもらい、そこから、知性と感性の結合した自分ならではの「表現」を生み出してもらいたい。

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